【日本刺繍】古典文様の刺繍 繊細な糸の重なりによる表現

スポンサーリンク
YouTubeでは日本刺繍技法や繍い方をご紹介しております^^

古典文様サンプラー

日本刺繍はお花などモチーフを写実的に刺繍するだけでなく、伝統文様や幾何学模様も作品に取り入れたりします(技法によって「割り付け模様繍」「上模様繍」「変わり繍」などに分類されます)

数年前に製作した変わり繍や模様繍5種類×3色のサンプラー

微妙に配色を変えてグラデーションになるように3パターンずつ繍いました!

右から

  • 升繍(ますぬい)
  • 亀甲繍(きっこうぬい)
  • 松葉菱繍(まつばびしぬい)
  • 市松繍(いちまつぬい)
  • 檜垣繍(ひがきぬい)

ひとつずつご紹介していきます

升繍

小さなマスがたくさん並んでいるような升繍の繍い方は思いのほかシンプルで、縦横交互に糸を渡していくのみです

8mm間隔に4色の糸を渡していくので、1色の幅が2mmになるよう調整します

グラデーション配色がおすすめです^^

1色目

2色目

3色目

4色目

糸を重ねるにつれて模様が出来上がってくるのが楽しいです

角度によって見え方が違います

最後に金糸を渡して交点を留めていきます

この技法は絹糸を撚らずに平糸で繍うことで、絹糸ならではの美しさを感じてもらえる技法かなと思います

何より簡単に映える模様が出来るので作品のアクセントにとてもよきです(*´꒳`*)

亀甲繍

亀甲文様は亀の甲羅の六角形に由来する文様です

長寿吉兆を象徴する亀を模した演技の良い文様で、長く愛され多く使用されてきました

まず地引きをし、同色の細い糸で正三角形を作るように糸を渡します

渡した糸に沿って六角形を作るように映える色(今回は白)の糸で形を作っていきます

出来た六角形中心に*の形を繍い、交点をを留めます

写真では白い糸を細く作りすぎてしまったので、模様があまり目立たなくなってしまいました…

地引きを白(薄めの色)にして、模様に濃いめの色糸を使った方が映えるかもしれません^^

松葉菱繍

一年中青々とした葉をつける長寿の象徴である松を菱形の中に現した文様です

まず平糸で地引きをし、辛め(強め)に撚りをかけた糸で地引きに対して60°に糸を渡して菱形を作っていきます

(交点はぞべ糸で留めます)

菱形の中に松を繍っていきます

今回は平糸一本で3色使用しています

単色にして統一感を出し、キリッと仕上げても良さそうです^^

途中、数ヶ所交点の留め忘れに気付いて絶望したりしました…確認大事です笑

市松繍

市松模様は江戸時代、佐野川市松という歌舞伎役者が好んだことから名付けられた模様です

アニメ「鬼滅の刃」の主人公の羽織に使われていましたね^^

繍い方は割とシンプルで、まずぞべ糸で格子状に糸を渡し、交点も留めます(これが文様の下書きになります

あとはひたすら繍っていくだけ(・∀・)

糸の色と繍う向きを互い違いに変えていきます

繍う向きを変えると光の当たり方で見え方が違ってきます

光を当てて繍い目の粗を飛ばした方が綺麗に見えます笑

いろんな色合わせを試したくなる可愛い模様です(*´꒳`*)

檜垣繍

檜垣繍は、檜の薄い板を斜めに編んで作った垣根を文様化したものだそうです

(手仕事を文様化するって何となく不思議な感じがします)

まず平糸で地引きをした後に地引きと同色のぞべ糸で格子状(地引きに対して45°の正方形)になるよう糸を渡し、交点も留めます

因みにこの状態で「碁盤押さえ」という技法です^^(もう少しマスを大きくすることが多いですが)

辛め(強め)に撚った糸で3マスずつ規則的に刺し、模様を作っていきます

ここでは一部金糸を使ってアクセントにしてみました

模様の下書きとなる、細い糸で格子状に糸を渡すという準備を極力ずれを少なく知ることが美しく仕上げるポイントでしょうか(・∀・)

日本刺繍特有の模様繍

今回紹介した繍い方の他にも、沢山の模様繍の種類があります

絹糸を重ねて出来る繊細な模様は日本刺繍特有で、作品のアクセントになってくれます

わたしのオリジナル図案「扇に桜」では扇の模様に麻の葉繍を入れています

緻密さが大切な作業なので慣れるまで大変ですが、是非チャレンジしてみて下さいね

最後までお読み頂きありがとうございました( ´ ▽ ` )ノ

コメント